Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
まつのやろはち
松のや露八
吉川 英治
Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme
「出戻りに、そう、恥をかかせるものじゃございませんよ」
「恥――。馬鹿をいえ。ここへ稽古に来ていた小普請組の息子とかに、熱くなって、さんざ、吾々に惚気ていたこともあるぞ」
「もう、お侍は、こりごり」
「離縁されたか」
「こっちから、してやったんですよ。当節のお武家方は、お口はうまいし、服装は華奢だし、女を買いかぶらせることには、役者衆の上手だから、もう、二本差した男には、金輪際、惚れないことにきめたんですとさ」
「ははは、よくよく、懲りたな。だから、云わんことじゃない。惚れるなら、吾々のような、野暮な用人とか、年老ったお留守居役に、惚れるものだと」
「その、お留守居役様は、また、どこへいらっしても、箒だし」
「こいつめ。ハハハ」
ぞろぞろと、出て行く――
白昼公然と、新道の奥から、出て行くのである。
しばらくすると、また一人、また三、四人と、順々に二階から降りては、帰って行った。その半分以上が、侍なので、庄次郎は、意外に思った。昌平黌と、道場のほかにも、武士が稽古に通うところがあるのを初めて知って、彼は、少し世間を考え直した。
やっと、稽古が、終わったらしい。