Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme

Aozora Bunko

二

残った三人は、

「うぬッ」

これは呼吸が合ってほとんど同時に庄次郎の脚をつかみ、一人は後ろから首を締め、一人は、横顔を三ツ四ツつづけさまに撲りかける。

ごろんと、一人がもンどり打って、庄次郎の髪が逆さに立った。そして、脚を持たれた男と同体に庄次郎も鳥居の下へ横ざまに倒れた。

「やりやがッたな!」

脇差を打ッ放して、跳びついてきた男の脛を、足業でパッと払って、自分は鮮やかに立っていた。庄次郎は爽快な熱さに顔を赤くしていた。自分の腕力に初めて自信をとりもどしたように、

「まだ参るかッ」

一喝すると、

「野郎ッ、忘れるなッ」

草履を拾って、禿安も他の者も、わらわら逃げてしまった。

今、渡舟を下りた人々だの往来の者は、彼の赤い顔へ、英雄を仰ぐような眼を瞠って、がやがやと称めていた。

それに気がつくと、庄次郎は、また、まごまごした。脚下に落ちていた畳み手拭を拾って懐中に入れると、間の悪そうな顔を反向けて、小梅村の家の方へ一目散に帰って行った。

二

どうしたのか、その晩も、お蔦は帰って来ない。

三味線棹が、壁に、鼻の下の長い自分を嘲っているように嫌に長く見える。衣桁に脱ぎすててあるふだん着の紅絹裏を見ても焦々する。