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Japanische Klassiker mit Furigana

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まつのやろはち

松のや露八

吉川 英治

Lesen Sie 松のや露八 (まつのやろはち) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 125.597 Zeichen · 253 Bildschirme

Aozora Bunko

「はい」

弱々しい返辞である。だが、庄次郎は泣いていなかった。むしろ、こんなにも怒った父を生まれて初めて見るように、呆気にとられていた。

「もう、意見をいう日は、過ぎた日だ。わしは、今日限り、お役目を退き、生涯謹慎と、肚を決めた。――だが、それだけでは相済まぬ。一ツ橋家の御名を汚し、武士にあるまじき不行跡を働いたそちの首を、藩邸へ、お届けせねば、八十三郎の家督相続が相成らん。生まれかわって来る日には、ちと、弟を見習うて来い。忠義、孝道、この弟の百分の一でも……」

まで云うと、半蔵は、声涙のけじめがなくなって、手で顔を掩ってしまった。

「ご免っ――」

玄関で、大きな声がした。

はっとしたように、半蔵は、槍をあわてて構え直した。八十三郎がひそかに使いをやったので、叔父の小林鉄之丞が息せき喘って駈けつけて来たのである。

「覚悟っ」

父が、さけぶと、

「しばらく!」

八十三郎は跳びついて槍の柄を抑えた。そして、座敷を斜めに駈けだしてくる救いの人へ、

「叔父上っ。いいところへお出で下さいましたっ。お詫びのお口添えを願いまする。父へ、お詫びを――」

「ええっ、馬鹿、離せっ」