Japanische Klassiker mit Furigana
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まきのとみたろうじじょでん
牧野富太郎自叙伝
牧野 富太郎
Lesen Sie 牧野富太郎自叙伝 (まきのとみたろうじじょでん) von 牧野 富太郎 (まきのとみたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 94.045 Zeichen · 185 Bildschirme
その頃はまだ漢学が盛んであった。五松学舎は高知の大川筋にあった。
入塾はしたがあまり講義を聴きに行かなかった。弘田先生が「牧野という男が入塾した筈だが、さっぱり来んではないか」といったそうである。その頃、植物・地理・天文の本を見て、興味をもって勉強していた。五松学舎の講義は主に漢文だった。ここ〔に〕数ヵ月いるうちにコレラが流行したので、ほうほうの態で佐川に帰った。
コレラについては面白い話がある。その時分コレラの予防には石炭酸をインキ壺に入れ、それを鼻の孔になすりつけ予防だとしていた。鼻につけるとひりひり滲みた。
五松学舎時代にはよく詩吟をした。その頃よく詩集を写したりした。吟詩で想い出すが私は現在の詩の吟じ方が気に入らない。詩には起・承・転・結があり、転句で転ずるのがラジオなどで聴いていると転句のところでまるで喧嘩でもしているように怒鳴る。あれではいかん。もっと節廻しをよくやらにゃいかんと思う。吟詩は勢いついていいものだ。その頃の書生は吟詩をやり、剣舞をやりなかなか勢いがよかった。そんな風だったから道楽して芸者遊びをする風は少なかった。しかしいわゆるお稚児さん(土佐ではとんとという)の風は相当にあったと思う。