Japanische Klassiker mit Furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Lesen Sie 猟奇の果 (りょうきのはて) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 134.971 Zeichen · 270 Bildschirme
「山田君、山田君、一寸来てくれ給え」
呼ばれてやって来た山田という社員は、さい前警部の前にお茶を運んで、立去り際に妙な咳をした男であった。
「山田君、この方の前で正直に答えてくれ給え。君昨夜寝たのは何時頃だったね」
「ブリッジで夜更かしをして、もう東の方が少し明るくなってましたから、四時近かったかも知れません」
「ブリッジの相手は?」
「何ですって」山田社員は妙な顔をした。「極っているじゃありませんか、あなた御自身と社の村井、金子両君です。両君とも帰れなくって、御宅へ泊ったのを御忘れですか」
「ブリッジを始めたのは何時頃だったかしら?」
「サア、九頃でしょう」
「それから夜明けまで、僕は座をはずした様なことはなかったね」
「エエ。便所へ立たれた外は」
そこで、品川氏は警部の方へ向き直り、得意顔に云った。
「御聞きの通りです。御望みなれば、なお村井、金子両君の証言を御聞かせしてもよろしい。それに、この山田君は、僕同様独身者で、僕の宅に同居しているのですから、この人に知られない様に、家を抜け出すなんて迚も出来やしません」
「イヤイヤ、決してあなたを疑っている訳じゃないのです」