Japanische Klassiker mit Furigana
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そうもくちゅうぎょ
艸木虫魚
薄田 泣菫
Lesen Sie 艸木虫魚 (そうもくちゅうぎょ) von 薄田 泣菫 (すすきだきゅうきん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 114.254 Zeichen · 226 Bildschirme
のちのちの記念になるものが何か一つ欲しかった。彼はポケットから帳面を取出した。
「先生。これに一つお名前を書いていただけませんでしょうか。」
「名前。」
「ええ、どうぞ。」少年は言った。「先生のお名前の Ralph Waldo Emerson ってえのを。」
その名前を聞いても、文豪は何とも感じないらしかった。
「書いて欲しいと思う名前を書きつけて御覧。すれば、私がそれを見て写すから。」
少年は自分の耳を信ずることが出来なかった。だが、彼はペンを取上げて書いた。―― Ralph Waldo Emerson, Concord; November 22, 1881 ――と。
老文豪は、それを見て悲しそうに言った。
「いや、有難う。」
それから彼はペンを取上げて、一字ずつゆっくりとお手本通りに自分の名前を書き写した。そして所書きの辺まで来ると、仕事が余り難しいので、もじもじするらしく見えたが、それでもまた一字一字ぼつぼつと写し出した。所書きには、書き誤りが一つ消してあった。やっと書き写してしまうと、老文豪は疲れたようにペンを下において、帳面を持主に返した。
少年はそれをポケットに蔵い込んだ。