Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきぐにのはる
雪国の春
柳田 国男
Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme
町の大水
「雷さまが急に鳴り出すと、きっと誰かかけ込んできます。雨がやみそうにもないと、傘を貸すこともあります。
「なアに、たいていは通るのは知った人ばかりだ。一ぺんだけ一昨年、だまくらかして持ってった人があります。飯野川のよく行く店の若え衆だと言いました。買ったばかりの傘だが、まだそのころは安かった。それでもあんまり久しく届けてこねエ。町さ出たついでに廻ってもらってくべいとって、おら自分で行って見ました。そうするとそういう人はいねエって言いましてね、全く店の名をかたったのでがした。遠方の者だろうというこってす。おれはこの年まで、石巻までもめったに出ねエ者だが、おれの馬鹿なことはよっぽど遠くまで聞こえてるといって、家で笑っていたことでがす。
町の大水
宿に着くころまでは、雨はひどかったが靴の汚れるほどの路でもなかった。それがおそい昼飯を食う時分には、向かい側の町役場の前で人声がして、出てみると救助の小舟を物置から担ぎおろしている。いよいよ水がくるかなと思いながら、風呂を知らせてきたから行って入った。番頭はよく話をする。それでも後には水の話になって、今年が七年目だそうですからなどと、少しは心配そうである。