Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきぐにのはる

雪国の春

柳田 国男

Lesen Sie 雪国の春 (ゆきぐにのはる) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.000 Zeichen · 266 Bildschirme

Aozora Bunko

紀行文学の弊

たまには珍しいというのみで、気の毒ながら木の畸形だ。浜の遊びのおもしろかったなごりに、他に記憶しうるまとまった印象もないために、人が単に松だの岩だのによって、連想の目標をきめるだけである。ヤソ教でいうならば十字架見たようなものだ。

海山は広くのんびりとしているけれども、われわれの庭はせせこましい。しかるにこういう松や岩を賞美する者がよく用いるほめ言葉は、持っていけるものならうちの築山にして眺めていたいなどという、不心得な話である。いい画を見ると真に迫っているというのはよいが、よい風景に対して画のごとしだの、画に描くとも及ばずなどというのは、よほど平凡なる天地に生を受けた大陸人の口まねに外ならぬ。そんな人たちと風景の論をして見たところで、話の合わぬことは始めから知れきっている。

紀行文学の弊

風景は画巻や額のようにいつでも同じ顔はしておらぬ。まず第一に時代がこれを変化させる。われわれの一生涯でも行き合わせた季節、雨雪の彩色はもちろんとして、空に動く雲の量、風の方角などはことごとくその姿を左右する。事によるとこれに面した旅人の心持、例えば昨晩の眠りと夢、胃腸の加減までが美しさに影響するかもしれぬ。