Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
百部畳むと、床の上に積んで、斜めに崩し、折目をスリッパで踏むのだ。前へ、後へと踏みながら、豹一は泣き出したい顔をぽかんと天井へ向けていた。
分業だから、少しも休むわけには行かなかった。欠伸一つ出来ぬ忙しさで、豹一は泡食っている咄嗟に、チャップリンの「モダンタイムズ」を想い出した。(新聞記者だと思っていたのに、これではまるで労働者だ)
僅に正午の休みを想って心を慰めていた。サイレンが鳴ると、飛び出して喫茶店へはいり、冷たい珈琲をのんで、椅子の上でじっと眼をつむって横になっていよう。しかし、正午が来ても休憩はなかった。パンを頬ばりながら、仕事を続けねばならなかった。
「遠慮せんと、食ってや」
社長の言葉にいちいち礼を言わねばならないのが情けなかった。いつものように、午後の日射しが執拗にはいって来た。額から流れ落ちる汗が瞼を伝うと、まるで涙を流しているのではないかと、思われた。いつか豹一は、大声で歌を唄っている自分にびっくりした。そうでもしなければ、その機械的な仕事に堪えられなかったのだろうが、動物じみて大声を出している自分がさすがに浅ましかった。
いきなり肩を小突かれた。