Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
二
なるほど家族主義だなと思いながら、豹一はそれをごみ箱へ捨ててしまい、また履歴書を書いた。翌日の新聞に、その会社の広告文案募集の広告が出ていた。
二
豹一が就職を焦っているのを見て、お君は、
「なにもお前が働かんでもええ」と言ったが、そう言われると豹一は一層焦った。毎朝新聞がはいる音で眼が覚めた。寝床のなかへ持ってはいって眼を皿のようにして、就職案内欄を見た。適当と思われる募集が出ていると、もうそわそわして寝つかれなかった。就職とはこんなに困難なものかと、なにか慄然とする想いだった。
ある日、「調査係募集。学歴年齢ヲ問ワズ。活動的人物ヲ求ム。某財閥直営会社。本日午前十時中央公会堂二階別室ニテ面会ス」という広告を見て、中之島の中央公会堂へ出掛けたところ、調査係とは体の良い口調で、実は生命保険の勧誘員のことだった。しかし、ここでも年齢が若すぎるという理由で断られた。
「せめてもう一つ位年が行っていたらな。来年もう一ぺん来とくなはれ、なんとかしまっさかい」と、代理店長らしい男に言われた。
(俺が来年まで就職出来ないと決めていやがる)
と豹一は腹を立てたが、しかしふと、一年や二年は失業したままでいる人間がざらにあるのだと思うと、そんな言葉もあるいは有難く聴くべきところかも知れないと、ひどく元気のない歩き方で薄暗い公会堂の