Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

三

「どうも昨夜寝不足でしたもんで――」そう言って、へっへとだらしなく笑っている自分にも、驚いてしまった。さすがに顔は蒼ざめていた。

三

月末、日割勘定で月給を貰った。電車賃や、昼食代を差引くと、いくらも残らない額だった。書潰しの封筒の表に毛利君と書いた月給袋を社長から渡されたとき、さすがになんとなく屈辱を感じた。

(これが欲しさに辛いことを我慢して来たのか?)そう思うと、たまらなかった。(いや、月給は問題外だ。ただ我慢して働くということが俺の義務なのだ)そう思って慰めた。しかし、帰って母親に見せた時の母親の顔で、さすがに労が報いられた気持がした。

「お前みたいな疳癪もちの子でも、よう使てくれはるな。有難いこっちゃ」お君はそう言った。

「ほんまにいな」そんな大阪弁で豹一も笑いながら言った。

「月給を貰うのやさかい、お前も洋服こしらえたらどないや?」

「いや、構へん。これで結構や」

今まで高等学校の制服をボタンだけつけかえて通して来たのだった。元来が見栄坊の彼だから、体裁の悪さは存分に感じて来たのだが、この際余計な金は使いたくないと我慢していたのだった。が、結局母親が執拗く薦めたので、月賦払の洋服をつくることにした。