Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
誤解も誤解も大誤解だ。おれが下手人だなんて、悲しいことをいってくれるな」北山はいかにも悲しそうな声をだした。が、それはまるで座附作者が役者に科白をつけているとしかきこえなかった。
「本当か?」
「遺憾ながら本当だ」
「なるほど、遺憾ながらでっか。そんなら、誰だ?」
「わからん。わかろうとは思わん。わかると一層辛い。わかっているのは、銀子が失われたという、痛ましい事実だけなんだ」
「…………」
土門はわけのわからぬ唸り声を出したが、いきなり、
「握手しよう」と北山の手を握った。
「どうせ、下手人はもみあげの長いヴァレンチノだろう。わしはいっそお宅に下手人になってもらいたかった」
土門はわざとしんみりした声をだした。
「わしもやっぱり旦那に下手人になってもらいたかったよ」北山が言った。
「ざまあみろ」と、土門。
「ざまあみろ」と、北山。
「いい気持だ。焼酎禿のくせに踊子にうつつを抜かしやがって……。あはは……。恥しくねえのか?」
「うむ、いったな」
「どうだ、恥しくねえのか」
「うーむ」
「さあ、さあ、返答、返答!」
「さあ、それは……」
「返答、なんと? なんと?」
「恥しいのは、お互いさまだ。