Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
いってみれば、彼には鷹揚な気持というものが生れつき備っていなかったのだ。ひとつにはこのとるに足らぬ(――と彼は思った――)女性を、大騒ぎで祭りあげている新聞記事というものに、自分が記者であることを忘れて、苦々しく思ったのである。そして、自分がそういうことを強いられている新聞記者であることを想出すに及んで、一層苦々しかった。(こういうことをさせられるのがおれの役目か?)そしてまた、序でに(おれならもう少し巧く書く)なお、つけ加えるならば、彼がなんの恨みもないのにこんなに村口多鶴子に面白からぬ感じを抱いたのは、彼が今夜彼女に会わねばならぬということも勘定に入っていた。
その年齢からいっても、また性質からいっても、豹一にとってはどんな女性も苦手だったが、ことにこのどうやら高慢ちきそうな(――おまけに美しいと来ている――)村口多鶴子のような女は体がふるえるほど苦手だと思われた。(この女はおれを軽蔑するだろう)情けないことに、豹一はおじ気がついてしまった。すると、自分が腹立たしくなって来た。豹一はいきなり、なにが怖いもんかと起ち上って、
(勇気を出して会いに行くんだ! なんだ、こんな女ぐらい……)