Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

せいしゅんのぎゃくせつ

青春の逆説

織田 作之助

Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme

Aozora Bunko

なんということか、豹一は何度かためらった挙句、ボーイや女給たちが並んでいる正面の入口からはいる気がせず、「男ボーイ入用」「雑役夫入用」「淑女募集」などの貼紙が風にはためいている勝手口から飛び込んだ。

そこにボーイがいて「なんぞ用だっか」とじろりと見られた。あるいは、若い豹一を見てボーイに雇われに来たのだと思ったのかも知れぬ。豹一のようないくらか蒼ざめた、顔かたちの整った青年は、ボーイにうってつけなのだ。

「新聞記者のものですが……」うろたえた豹一は、「新聞社のもの……」というところを、そんなへまを言ってしまった。

「名刺もったはりまっか」

なるほど新聞記者は先ず名刺が要ると土門がいったのはこれだったかと、豹一は正直に作って置いた莫迦に小型の名刺を出した。ボーイはちらとそれを見て、

「はあ、さいですか? いま係の方に来てもらいまっさかい、ちょっとお待ちなすって……。さあ、どうぞ、お掛け下さい」

名刺の効果はてきめんだった。ボーイは急に言葉使いを改め、椅子をすすめた。そして、陰気くさい溜り部屋のドアを押して出て行った。ドアをひらいた拍子に、はなやかなキャバレエの内部がぱっと見えた。