Japanische Klassiker mit Furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Lesen Sie 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 162.593 Zeichen · 325 Bildschirme
豹一は自分の仮装行列の提案に反対されたので、参加しなかったのだ。彼はクラスの者が仮装用の費用に出す一円ずつの金を集めれば五十円になる。その金でパンを買って、皆んなでグラウンドへ担いで行き、グラウンドを一周してから代表者がそのパンを養老院へ持って行って寄附することにすれば、下手な仮装よりもぴりッと利いて面白く有意義ではないだろうかと、半なにか偽善者のように思われやしないかと心配しながら、一人一件という義務通り提案したのである。反対されたのは構わなかったが、その時教授の息子である級長の根室が、京都人らしい陰険な眼を眼鏡の奥にぎょろりと光らせながら、ねちねちとした口調で、「毛利君の案は不穏当だと思う。毛利君は何か意味があってそんな提案をしたのか知らないが、そのためわれわれのクラスが学校当局からねらまれるようになったら、迷惑である」とかなり感情的な反対意見を述べたのが、癪にさわったからだった。
(ねらまれるとはなんだ! 俺を危険人物だと思ってやがる!)
根室の反対意見にかなり賛成の声が出て、何れも京都に家をもった生徒ばかりだった。結局仮装は「酋長の娘」という無意味な裸ダンスに決った。