Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
未来は知らず今の処では外に類のない珍味だぜ」と先ず講釈が大層なり。客の三人は珍物よと聞きて賞翫しつつ小山夫婦頻に感歎し「なるほどこれは無類だ。柔いこと綿の如くでその中に何とも言われん味がある。しかし中川君、鶏にも睾があるかね」主人「あるとも、動物だもの。ただそれが背中の内にあるから素人に分らん。かつ去勢術が豚や馬に比して困難なのもそれがためだ」小山「どうしてそれを去勢するね、やっぱり背中を立割るかね」主人「そうさ、それが大変にむずかしい。何となれば去勢する鶏は産れてから七、八十日位の雛鳥に限るから身体も小さいし、腹の中の臓腑や筋骨も弱いし大きなものを扱うよりも非常に困難だ。その代り去勢した後にはその発育が俄に倍加して普通の鶏が一か月に百目ずつ体量が殖えるとすると去勢したものは二百目以上ずつ殖える。精密に比較すると同種類の去勢しない鶏が三百目の体量に達する時は去勢した者が七百目に達する割合だ。その肉を同じ直段に売るとしても倍以上の利益があるのに、仏蘭西辺の如く去勢肉が三倍の高価になれば合せて六倍の利益になる。かつ去勢した雄鶏は母鶏の代用として能く雛鳥を親切に撫育するから外国では盛に育雛用にも使われる。