Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

第六十一 火の倹約

お登和「ハイ」と台所へ立ちて下女と共に一種異様の火鉢を持出し来る。

第六十一 火の倹約

台所の経済法は何人も不断の研究を要す。研究せざれば無用の冗費のみ累なりて人は空しく金銭を浪費するのみ。主人の中川新式の火鉢とスープ鍋を客の前に出さしめ「小山君、この火鉢は僕の新工風に成ったのだ。本式に製造させればもっと手綺麗に出来るけれども間に合せだから武力屋へ頼んで普通の鉄板で張らせた。見給え、ちょうどスープ鍋が半分ほどスポリと箝るようになって上の方に小さな孔がポツポツ明いている。形状は先ず太鼓胴で深さが非常に深い。これは火気を最も経済的に使うようにしたので普通の火鉢だと鍋の底ばかり下の方から温るから火力の利き方が悪い。これは火鉢の中へ深い鍋が半分箝って底ばかりでなく腰の周囲を尽く温めるようになるから火の利き方がよい。それにスポリと箝って火気が決して外へ散らん。鍋の底と腰を温めてから上の孔より少しずつ上昇するばかりだ。この火鉢へは藁灰の上等を沢山入れてあるがこの灰を折々取かえなければならん。中へ用ゆる炭は極く堅い大きなのがよい。大きな堅炭を七厘でカンカン起して火鉢の真中へ入れてまだ黒い部分があったら全く火になるまで鍋をかけずにおく。