Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

第七十二 新主人

それが今になって満に嫌われたとなったらあの子がどうするか知れやあしない。力を落して病気になったら後で悔んでも追付きません。それに満の方ではあの子がこんな好い娘になっている事を知るまいからそれで東京の女が好くなったのです。お代を東京へ連れて行って今の娘っ振を見せれば満だってイヤと言うものですか」伯父「ウフフ、あの姿で東京へ連れて行った日には」伯母「ナニ」伯父「マアサ、東京へ連れて行ったら和女にも分るだろう」と伯父は最初よりお代の事に心進まぬを伯母や本家の父母に強いられて満の嫁に定めしと見ゆ。今は本家の手前争う事もならず、まして自分は養子の身の上家付の娘に逆らう事も叶わねば言わるるままに身支度して明日はいよいよ東京へ出発する事となれり。お代の悦び一晩寝ずに顔ばかり洗いて濃き白粉を塗立てつらん。

第七十二 新主人

故郷の消息聞く由もなし、東京なる大原満は小山夫婦と中川兄妹の尽力によりて近頃新なる家に引移れり。下宿屋生活より一躍して仮にも一家の主となれば自ら心寛ぎて何事も愉快ならざるはなし、勝手を働くは小山が世話せし雇婆さん、これとて当座の間に合せ、今にお登和嬢の嫁ぎ来りて妻と呼び良人と呼ばれん日とならば婆さんの代りに小女を抱え、三度の食事も総がかり、毎日御馳走を拵えて楽しき月日を送らばやと主人の心は空想の愉快に