Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
第四十八 鯛スープ
箸を借りて僕が妹と共に平気な顔でフライを食べ始めると外にいた日本人の客や給仕はクスクス笑っていたが一組の西洋人の男女が不思議そうに僕らへ注目した。外の客も多く鱚のフライを食べている。しかるに小骨が多くってなかなかフークの手におえん。中には尾へ手をかけてむしり始めたものもある。西洋人すら随分困難していた。僕らだけは箸のお蔭で骨は骨、肉は肉と綺麗に取捌いて食べたから西洋人も感心した様子だ。日本人は便利な機械を使っていると思ったろう。西洋料理屋の食品は肉沢山の野菜少で日本化せられているが、食法に箸を使わんのは日本化していない。僕は食法を日本化して以来は西洋料理に箸を用いさせる事にしたい。何ほど便利だか知れないぜ。僕はこの事を天下の西洋料理屋へ勧告したい。西洋料理屋はともかくも素人の家で西洋料理を出す時に何を苦んで箸を閑却するか。僕の家では西洋料理に箸を出すのを正式としておくのだ」と随分風変りな正式。
第四十八 鯛スープ
台所の用意も充分に整いけん。今日はお登和嬢も出で来りて食卓に着きぬ。大原はなるべく嬢と並んで坐りたし。さりながら嬢と中川は向う側にあり、客の三人此方に並んで坐せり。