Japanische Klassiker mit Furigana
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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
Lesen Sie 食道楽 (くいどうらく) von 村井 弦斎 (むらいげんさい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 160.757 Zeichen · 321 Bildschirme
満さんは本家のお代さんと縁組するはずになっているそうだから国の事を忘れる気支もあるめいけれど、こういつまでも帰らねいのを見ると何だか少し怪しいようだ。堅い堅いといったって東京には好い女があるからなあ。この道ばかりはどうも別だよ。今頃はどんなものが出来ているかも知れねい。この村が海になろうと川になろうと滅多な事で帰って来そうもないのう」と余計な事を言いたがるも村での口利き、一度は村会議員に出たほどの人物なんめり。大原の父は少しく不平の色あり「イイエ悴に限って決してそんな事はない、大丈夫だ。あの通りぼくねん人だもの」老人「それが当にならねいだよ」ととかく何事にも反対する癖あり。折から門の方より足音高くドシドシと入り来るは本家の娘お代さん。先に大原が小山の妻君に話せし通り、どんぐり眼に団子っ鼻、赤ら顔に縮れっ毛、大兵肥満の大女なれども鬼も十八の娘盛りとて薄黒い顔に白粉をコテと塗り、太き地声を細く殺して「伯母さん今日は」と妙に気取って歩み来る。口の悪き老人その顔を見て笑い出し「イヨお代さん、大層おめかしだね。東京の満さんに嫌われめいと思ってこの頃はめかしてばかりいさっしゃる。