Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
(云う声はしだいにうわ嗄れて、鬢髪そよぎ、顔色すさまじ、下の方の木かげより以前の雨月忍び出で、息をのんで内の様子を窺う。玉虫はかくとも知らず、更に祭壇のかたを指さす。)
玉虫 あれ、見られい。唐天竺日本にあらとあらゆる阿修羅の眷族を、一つところに封じ籠めて、夜な夜なかたきを呪うて居りまするぞ。やがてその奇特を……。
(この時、俄かに風ふき来たりて、燈台の火ふっと消ゆ。闇のなかにて玉虫の声。)
玉虫 おお、源氏の運も風の前のともしびじゃ。忽ちこのように消ゆるであろうぞ。ほほほほ。
(向うより那須与五郎宗春、二十歳、烏帽子、直垂にて蓑をつけ、松明を持ち、あとより玉琴も蓑をつけ、附添うていず。この火のひかりを望みて、玉虫は起って奥に入り、雨月も木かげに身をひそむ。平家蟹もすべて消ゆ。与五郎等は門に来たりて、内をうかがう。)
与五郎 はて、不思議や。家の内は真の闇じゃ。
玉琴 姉様はどこへお出でなされたか。まずともかくもお通りなされませ。
与五郎 むむ。
(両人は内に入りて、あたりを照し視る。)
与五郎 おお、燈台はあれにある。燈火をつけられい。
玉琴 心得ました。
(両人は蓑をぬぎ、玉琴は縁にあがりて、松明の火を燈台に移す。