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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

悪魔の誓い

一

一

眇目の男はまた言った。

「足利兄弟のたましいに天狗を宿らせて、日本の天下を二つに分けて争わせる。が、まだそればかりでは我々の務めは果たされぬ。その足利の味方の間にも更に内訌を起こさせて、味方同士を啖い合わせる。その手段として、われらは先ずお身の父の師直を呪うた。高師直は呪わるべき人じゃ。彼が好色の餓鬼となって、公卿殿上人の息女や女房をほしいままに掠め奪って、おのが妄婦として戯れ狂うのみか、果ては塩冶の妻に懸想して、その夫をほろぼしても、おのれの慾を遂げようと企つる。それもみな我々が悪魔を駆って、かれの魂に啖い入らせたのじゃ。お身たちがいかに救おうと燥っても狂うても、及ばぬことじゃ。お身の兄師冬、彼は師直ほどの無道人に生まれ付いたのではないが、これも呪われたる禍いは逃がれぬ。見よ、父は子を憎み、子は父に背いて、骨肉相食むの畜生道は眼のあたりじゃ。人妻に懸想してその夫をほろぼすほどの無道人に、誰が親しみ懐こうぞ。師直はわが子ばかりか、味方にも主君にも疎み憎まれて、その身の滅亡は疑うまでもない。それもせめては武士らしい、あっぱれ華々しい最期ともあることか、犬猫にも劣った見苦しい死に恥を晒して、屍は野末に捨てらりょうぞ。