Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
青蛙神
第一幕
第一幕の登場人物
李中行
その妻 柳
その忰 中二
その娘 阿香
高田圭吉
旅の男
第一幕
時は現代。陰暦八月十五日のゆうぐれ。
満州、大連市外の村はずれにある李中行の家。すべて農家の作りにて、家内の大部分は土間。正面には出入りの扉ありて、下のかたの壁には簑笠などをかけ、その下には鋤またや鍬などの農具を置いてあり。その傍らには大いなる土竃ありて、棚には茶碗、小皿、鉢などの食器をのせ、竃のそばには焚物用の高粱を束ねたるを積み、水を入れたるバケツなどもあり。よきところに木卓を置き、おなじく三四脚の木榻あり。下のかたには窓あり。上のかたは寝室のこころにて、ここにも出入りの扉あり。家の外には柳の大樹、その下に石の井戸あり。うしろは高粱の畑を隔てて、大連市街の灯が遠くみゆ。
(家の妻柳、四十余歳。高粱を折りくべて、竃の下に火を焚いている。家内は薄暗く、水の音遠くきこゆ。下のかたより家の娘阿香、十七八歳、印刷工場の女工のすがたにて、高田圭吉と連れ立ちて出づ。高田は二十四五歳、おなじく印刷職工の姿。)
高田 (窓から内を覗く。)阿母さんは火を焚いているようだ。じゃあ、ここで別れるとしよう。