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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

二

しかし三河守師冬が養父の不義を憎んで、その媒介をするかれを追い払えというのは、なにさま、さもありような話であった。追い払われて何処へゆく。それを思うと、侍従も少し途方にくれた。勿論、自分には小坂部という頼もしい保護者がある。その袖にしっかりと取り縋ってさえいれば、身の安泰は恐らく保障されることと信じていながらも、兄と名のつく師冬があくまでも自分を放逐しろと迫って来た時に、小坂部は果たして最後まで自分を庇ってくれるであろうか。侍従の不安はいよいよ大きくなって来た。

その弱味に付け込んで、権右衛門は巧みに説いた。嚇されて、賺されて、とうとう彼女は自分の知っているだけのことを残らず白状した。小坂部が双ヶ岡をたずねたことも、自分がその「なよ竹」の歌を持参したことも、それらの秘密をことごとく権右衛門の前に晒け出してしまった。そうして、若殿の手前はよいように取りつくろってくれと切りに頼んだ。

二

内輪にこういう小刀細工をしている人間があろうとは、さすがに思いもよらない小坂部は、あくる朝ともかくも館を出た。父の手前はかの双ヶ岡をたずねて、兼好法師に小夜衣の歌の説明を乞うて来ると言って出たのであるが、それはあらためて兼好の講釈を聞くまでもなかった。