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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

わたし達夫婦も助かります。娘、もう大丈夫だよ。おまえはきっと助かるから……。

娘 助かるでしょうか。

嫗 この人は強いのだよ。

娘 強いでしょうか。

青年 わたしは自分でも強いものだと信じています。

翁 お前さんはほんとうに強そうだ。やれ、やれ、これでようよう安心した。

嫗 わたしもようよう落付いた。

娘 安心ができましょうか。

翁 そんな心細いことを云うものではない。なんでも気を強くもっていろよ。

(雨の音薄くきこゆ。人々は表を窺う。)

青年 おお、雨がまた降って来た。

翁 もう日が暮れるなあ。

青年 今のうちに弓の弦でも張って置こうか。

(青年は弓の弦を張る。翁は立寄って見る。)

翁 なるほど、太い弦だ。これを強く張って矢を放したら、鉄の鎧でも射透すだろう。

嫗 いくら大きな蛇でも急所を射られてはたまるまい。

(青年はほほえみながら弦打二三度して、弓をかたえの壁に立て、更に太刀をぬきてすかし視る。)

青年 この剣で蛇の頭を切るのです。

翁 おお、なるほど。これもよく切れそうな刀だ。

青年 この通りにとぎ澄ましてあります。

嫗 憎い蛇めをずたずたに切ってやりたいものだ。

(青年は太刀を鞘に収める。