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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

固めて、まずこの法師の前で自分の身分をあかし、あわせて父の恋物語を説き明かした。

一切の事情を聴き取って、兼好は眉をしかめるかと思いのほか、珠数を持ったままでやはりにやにやと笑っていた。

「ほほう、敵にも味方にも鬼神のように恐れられている武蔵守殿が恋の病い、さりとは珍しいことじゃ。まして相手が人妻とあっては、当の御仁の悩み、はたの人々の心づかい、いかにもお察し申すよのう。就いてはお身、この兼好に恋文を書かせて、塩冶の内室に贈らしょうと思い立たれたのか。」

「さようでござりまする。それよりほかには父の病いを救う術もあるまいと存じまして……。初対面から押し付けがましゅうはござりまするが、父も哀れ、わたくしも不憫と思召されて、何とぞ快うお聞き済みのほどを、幾重にもお願い申しまする。」

小坂部はあらためて手を突いて頼んだ。

「将軍家執事の息女ともあろう身が、ただ一人この庵へ忍び寄られて、若い女子としては言いにくい筈のことを初対面のわれらの前に訴えらるるは、よくよくのこととお察し申す。」と、兼好は同情するようにうなずいた。「それほどのお望みとあらば、拙い文ども何か書いても進ぜようが、かの内室があくまでも情のうて、なんの返しもなかった時には何とせらるるぞ。