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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

与五郎 さては扇のまとのうらみによって……。

玉虫 おのれはかたきの末じゃ。兄の与市めも遅かれ速かれ、共に地獄へ送ってやろうぞ。

(いよいよ心地よげに笑う。与五郎は無念の歯をかめども、苦痛はしだいにはげしく、ただ苦しき息をつくのみ。玉琴は這い寄る。)

玉琴 与五郎どの……。おん身をここへ誘うて来ずば、こうしたことにもなるまいものを……。

与五郎 おお、この上は是非も無し、かれは生きて源氏を呪わんと云う……われは死して彼を呪わん。玉虫……。おのれもやがて思い知ろうぞ。

玉虫 人に執念のないものは無い。われもひとを恨めば、ひとも我を恨もう。つまりは五分五分じゃ。恨まば恨め、七生の末までも恨むがよい。

与五郎 おのれ……。

(起たんとしてよろめくを、玉琴は支えんとしてすがりつく。)

与五郎 最早これまで……。玉琴……。

玉琴 与五郎どの……。

(与五郎は刀をとりなおして玉琴の胸を刺し、返す刀にてわが腹に突き立て、引きまわして倒る。下のかたの木かげより雨月再びうかがい出で、垣の外にひざまずきて合掌す。玉虫は見咎める。)

玉虫 そこにいるは誰じゃ。

雨月 (しずかに。)わたくしでござりまする。