Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

仮りに気違いであるとしても、彼は普通の乱心狂気でない、おそらく何かの宗教を盲目的に信仰して、その強い信仰から他目には物狂わしく見えるようにもなったのであるまいか。あるいは異国の邪宗門を信仰する一種の邪教徒ではあるまいかと、小坂部は想像した。

彼が尋ねているものは、主親のかたきでもない、家の宝物でもない。彼ははっきりとそれを明かさなかったが、彼は自分の信仰する神の指図によって、その神の前にささげる生贄を求めているらしくも思われた。そうして、その尋ねている生贄は小坂部であるらしくも思われた。彼のものすごいほどに輝いていた片眼の光りを思い出して、小坂部は言い知れない怖れを感じた。一度魅んだら必ず逃がすまいとしているような、いかにも執着の強そうな眼の光りと顔の色――その印象が小坂部の胸に深く刻み付けられて、かれの恐怖はだんだんに強く大きくなって来た。

かれは黙って俯向いて歩いた。供の者共もやはり黙って付いて来た。野路を越え、田圃みちを過ぎて、もとの四つ辻へ戻って来た時には、そこにもうかの眇目の男の姿は見えなかった。

「あの気違いの乞食め。どこへ行き居ったか。