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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

「父上もそれを承知かな。」と、師冬はかさねて訊いた。

「一応は打ち明けました。」

「打ち明けたか。」と、師冬は意味ありげにほほえんだ。「して、父上はなんと申された。」

「聞き届けたとは仰せられましたが、それは何とやら頼りないようにも思われまするので……。」

師冬は再びさもこそというようにうなずいて、妹のやや蒼白い顔を燈台の火にじっと見つめた。

「父上はなんと申されたか知らぬが、この恋はならぬと思え。若い女子のひと筋に、兄を無慈悲と恨むまいぞ。有りようは師冬、山名の忰にお身をくれようと約束した。和泉守は年も若し、家柄も正しく、武勇もすぐれた者じゃ。殊にわしとは日頃から仲良しじゃで、妹をくりょうと約束した。本人ばかりでなく、父の伊豆守にも言い聞かせてあれば、今さら変がえのならぬ破目になっている。勿論、お身としては初耳でもあろうが、武士と武士とが一旦約束した以上、今更どうにもならぬことは賢いお身にはよう判っている筈じゃ。兄が頼む――采女のことは思い切れ。彼とても主人の頼みじゃ、よもや故障は申すまい。万一とこう申すにおいては、成敗か勘当か、所詮わが身のためにならぬことは彼とても存じて居ろう。