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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

決して御油断なされまするな。」

「もちろん油断はならぬ。」と、小坂部は燃える火を見つめながら言った。「さりとてあの男、悪心をいだいている者とも見えぬが……。」

彼に対して言い知れない不安をいだきながらも、小坂部はまた彼に対して一種の尊敬をも払っていた。小坂部は彼を怖れながらも、彼を憎もうとする気にはなれなかった。

「たとい悪心はないにもせよ、乞食とも狂人とも判らぬ奴、いつまでも我々の道連れにはなりませぬ。」と、采女がまた言った。「いっそここらで彼と別れましては……。」

「素直に別れて行くであろうか。」

「あくまでも執念く付きまとうて来ますれば、もう是非がござまりませぬ。不憫ながら討ち果たすまでのことでござりまする。」

「さりとはむごいことを……。」と、小坂部は眉をしかめた。「ともかくもここまで安々と案内してくれた男、その情けを仇にするはあまりの無道じゃ。」

「無道じゃとて我々の邪魔する奴は……。」と、言いかけて采女は少しく考えた。「では、彼の戻らぬうちに……。これからすぐに立ち退きましょう。」

彼を置き去りにしてここを立ち退く、それが一番無事な方法であろうかと小坂部も考えた。