Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
相手があくまでも強情を張る以上、彼はよんどころなしに其の武力を用いなければならないことになった。しかしゆうべの仕損じに懲りているので、彼も十分に警戒しなければならなかった。彼は小坂部らのうしろを亀田新九郎、横井弥兵衛の二人に合図して、まず邪魔者の采女を不意に搦み取らせようと企てた。こうして采女を生け捕ってしまえば、小坂部もそれに牽かされて素直に都へ戻って来るに相違ない。彼は采女を一種の囮にして、強情な小坂部を引き戻して行こうと巧らんだのであった。
この打ち合わせはあらかじめ出来ていたと見えて、新九郎と弥兵衛の二人は早くも呑み込んで、不意にばらばらと采女のうしろから飛びかかった。両腕を捉られて太刀を抜くひまもない采女は、まず片足を働かせて一方の弥兵衛を蹴倒そうとした。蹴られて倒れかかったが、危うくも踏みこたえた彼は、相手の右の腕をしっかりと抱え込んで横さまに投げ出そうとすると、新九郎も左の方から嵩にかかって押し倒そうとした。その力が一つになって、敵も味方も折り重なって倒れた。
「あ、待って……。」
小坂部は身をひるがえして三人の間へ割って入ろうとするのを、権右衛門は駈け寄って曳き戻そうとした。