Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
しかし権右衛門の目的はむしろ小坂部を追い捕える方にあるので、彼はさのみそれを残念にも思わなかった。山名方がひと息ついて、敵の死に首、味方の手負い討ち死などをあらためているひまに、かれらは路を変えて何処までもと追いつづけて来ると、暗い森のほとりでかの眇目の男に出逢った。小坂部と采女とがそこの辻堂に休んでいることを彼から教えられて、権右衛門らはよろこび勇んで追って来ると、果たして目ざす相手の二人をそこに見付け出したのであった。
異国の眇目の男に対して、かれらも初めは油断しなかったのであるが、こうして自分たちのために忠義振りを見せてくれたので、かれらも思わず気を許した。それが油断のもとで、権右衛門も新九郎もかの甕から怪しい水を飲まされたのであった。二人が倒れると共に、彼はどこへか形を隠してしまった。眇目の男はやはり彼等の味方ではなかったのである。
それに気がついて、かれらが今更のようにうろたえ騒いでいるひまに、小坂部も急に気がついた。かれはこの隙きを見て、捕われの采女を救おうと思った。焚火はだんだん消えかかって、あたりがうす暗くなっている上に、家来の幾人は眇目の男のゆくえを探して、堂のうしろへ駈けて行った。