Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
彼が何かの合図をすると、一羽の梟がどこからか舞って来たのを、彼は懐中から短い剣をとり出して、ゆうべの猫のように無雑作に殺してしまった。
「生けるものを其のままに啖うがわれらの教えじゃ。」
その食い物は、蝙蝠、梟、蛇、蜥蜴、壁虎、蟆、犬、猫、狐、狸、鼬、鼠、貂のたぐいで、合図をすれば必ずどこからか現われて来るから、それをすべて生けるがままに屠って、飢えれば肉をくらい渇けば血をすするのであると彼は説明した。
「日を仰ぎ、月に祈り、雲を呼ぶ時は、この高い窓から空を見るのじゃ。」
窓一つないと思われたこの部屋にも、高い壁の上に小さい窓が作られてあることを小坂部は初めて知った。水甕に引いてある筧は、その窓から通っているのであった。そうして、その水は飲むためではない、まことは顔を洗い、手を浄めるためであると、彼はさらに説明した。小坂部は彼に扶けられながら、その水甕を踏台にして高い窓から覗いて見ると、秋の青空の果てに唯ひとかたまりのうす黒い雲が小さく浮かんでいた。
「あの雲はいかなる晴れた日でもわれらの眼にはかならず見ゆる。あの雲の消えぬかぎりは、われらの教えもほろびぬと思われい。