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Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

旅の男 青蛙神に酒と肉とを供えて祈祷すれば、どんな願いでも屹と成就するのです。

李中行 (うなずく。)むむ。それは私も昔から聞いているが、ほんとうにそんな奇特があるものかな。

旅の男 ここらの人はよく知らないので、不思議に思うのも尤もですが、南の方へゆけば青蛙神を疑う者はありません。

李中行 わたしが祈っても、奇特があるだろうか。

旅の男 勿論です。

柳 (李の袖をひく。)わたしは何だか気味が悪い。おまえさん、詰まらない願掛けなぞをおしなさるなよ。

李中行 まあ、黙っていろ。(男に。)ねえ、お前さん。こうしてお近づきになったものだから、私の為にその箱をあけて、青蛙神を一度拝ませてくれませんかね。

旅の男 なにか願掛けでもなさるのか。

李中行 おまえさんも大抵察していなさるだろうが、わたし達はこの通りの貧乏人で、総領のせがれは町の本屋に奉公させてある。次の娘は大きい印刷工場に通わせてある。併しそのくらいのことでは、この時節になかなか楽には暮されない。わたし達夫婦もだんだんに年を取る。悴もやがて嫁を貰わなければならない。娘もどこへか縁付けなければならない。それやこれやを考えると、どうしても纏まった金をこしらえて置かないと安心が出来ないのだ。