Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
当人だって何か云って置きたいことがあるかも知れない。
李中行 遺言があるならば、中二が聞いて来るだろう。なにしろおれは御免だ。(また俯伏す。)
柳 困るねえ。だって、まだ死ぬか生きるか確に決まったわけでも無いじゃあないか。(李の肩に手をかけて揺る。)お前さん。後生だから行ってみて下さいよ。
(李は答えず。)
柳 仕様がないねえ。じゃあ、いっそ思い切ってわたしが行こうかしら。こんな装をして行っちゃあ、娘の外聞にもかかわるかも知れない。けれど、この場合にそんなことを云っちゃあいられない。
(柳は鎌を片付けて、身支度をする。下のかたより會徳出づ。)
會徳 (窓から声をかける。)なんだか娘が怪我をしたと云うではないか。
柳 (泣き声で。)高田さんの話では、もう助かりそうも無いと云うんですよ。
會徳 それは飛んだことだな。なにしろ早く行ってみたら好かろう。
柳 そう云うんだけれど、この人がぐずぐずしていて、行って呉れないんですよ。
會徳 それではお前が行くがいい。ひとりで困るなら、おれが一緒に行って遣ろうか。
柳 じゃあ、済まないが、そうして下さい。
會徳 よし、よし。
(柳は身支度して表へ出で、會と共に下のかたへ行こうとする時、下の方より李中二走り出づ。