Japanische Klassiker mit Furigana
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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme
ええ、おまえも強情な男だな。
(李は無理に男を表へ押出せば、男は井戸端へ出て跡をみかえり、やがて笠をかたむけて下のかたへ立去る。)
高田 なんだか変な男だ、ほんとうに奉天から来たのかな。
李中行 奉天から来ようが、遼陽から来ようが、旅の男なぞを泊めることは出来ない。あの青い蝦蟆を持っていた男も、丁度今夜のような雨のふる晩に、無理に泊めてくれと云って押込んで来たのだが、あの時にあの男を泊めて遣らなかったら……。ああ、わたしが悪かったのだ。
(李は悔むように嘆息する。寝室より柳出づ。)
柳 今、だれか来たようでしたね。
高田 知らない人が泊めてくれと云って来たんです。
柳 (李に。)おまえさん、断ったろうね。
李中行 勿論のことだ。今も云っている所だが、知りもしない旅の人間なぞを何うして迂闊に泊められるものか。無理に断って、逐い出してしまったのだ。
柳 なんでも逐い出してしまうに限るよ。又どんな魔ものが舞い込んで来るかも知れないからね。(云い捨てて、再び寝室に入る。)
高田 (見送る。)やっぱり落付いていられないんですね。
(李は困ったと云うような顔をして、無言にうなずく。