Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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へいけがに

伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集

岡本 綺堂

Lesen Sie 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 203.094 Zeichen · 411 Bildschirme

Aozora Bunko

)誰か早く町へ行って、医者を呼んで来てくれませんか。僕の工場のすぐ傍に病院がありますから……。いや、君達じゃあ判らないかも知れない。僕が行って来よう。

(高田は立ちかかれば、中二はズボンをつかむ。)

中二 まあ、待ってくれ給え……。待ってください。僕は……私はもう助からないかも知れない。

高田 なに、ピストルの弾の一つぐらい……気の弱いことを云っちゃいけない。大丈夫……大丈夫だ。

中二 それにしても……ちょっと待って……。実は私は……傷害保険を付けています。三千円……。

高田 傷害保険……三千円……。

中二 親父はまだ知りますまいが、その保険の受取人は親父の名前になっているのです。万一わたしがこのまま死んでしまった暁には……あなたが万事の手続きをして……その三千円をうけ取って……おやじの手へ渡して遣ってください。お願いです。

高田 判りました、判りました。承知しました。

中二 それから貯蓄銀行に……わたしは二百円ほどの金を預けてあります。それも一緒に受取って遣って下さい。(云いかけて弱る。)

高田 (耳に口をよせて。)承知しました。保険が三千円、貯蓄銀行の預金が二百円……。