Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「俺らはここへ寝てしまう」
この印度人の正体が米友であることは申すまでもないことで、米友は今、刺繍の衣裳などが掛けてある帳の中へ入って寝込んでしまおうとすると、
「黒さん」
楽屋へ来たのは洗い髪の中年増。色が白くて光沢がある。朱羅宇の煙管と煙草盆とをさげて、弁慶縞の大柄に男帯をグルグル巻きつけて、
「どうしたんだい」
背後には屈強な若者が三人、控えています。
「親方、済まねえが……」
米友はこの年増を親方という。そうして済まねえと言って一目置く。
「済まないといったってお前、あの通り、お客がわいてるじゃないか」
「ばれちゃったんだ、親方」
「ばれたって? 誰もそんなことを言やしないよ、あの通り騒いでいるのはみんな、お前を見たがって騒いでるのじゃないか、お前がイカサマだっていうことを、一人も言ってるものはないじゃないか」
「けれども親方、たった一人、知ってる奴があるんだから、何とかしておくんなさい」
「なんと言ったって駄目なんだよ、お前が出て挨拶しなけりゃ、お客は納まらないんだよ」
「では親方、病気だと言って休ましておくんなさい、今日一日、休ましておくんなさい、今晩よく考えておきますから」