Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

「なあに、大丈夫、おれは印度の言葉を心得ている、その上に印度人の病気を見出すことが上手だ」

「先生、出て来ましたぜ」

「やあ来た来た。黒、またやって来たな、しっかりやれ」

「東西――」

口上言いと出方とが黒を引っぱって、場の真中へ出て来ました。黒は元気のない歩きつきをして道庵の方を見るのが、鼠が猫を見るような態度であります。

黒が出て来たので見物は、やっと納まりました。

「いよう黒ん坊!」

「御見物の皆々様へ申し上げます、ごらんの通り色が黒うございますから、喜怒哀楽の心持が現われませぬ、どうぞこの足どりの萎れたところでごらん下さいまし、虎を手取りに致すほどの豪傑も、人間はすこぶる内気でございまして、子供のようなところがございます、ただいま腹痛がさし起りまして、とても芸当が致し兼ねると申して、皆々様にお断わりも申し上げず引込んで駄々を捏ねまするのを、ようやくのことで引き出して参りました、今日はどうぞ、これにて御免を願い上げまする、その代りと致しまして、明日は残らず芸当を取揃えて御覧に入れまする……」

口上言いがぺらぺら喋ると、聞いていた印度人の米友、その手を後ろからグイグイと引く。