Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「おやおや、首の無い殿御を抱いて寝るというお姫様もあるんだから、片腕のないところもまた乙でしょうけれど、あの男が片腕をなくしたわけを聞いてしまったらお前さん、三年の恋も冷めるでしょう。何も知らないで、あんな男に頼まれておいでなすったお前さんがお気の毒」
「そんなことを聞きに上ったんじゃありません、あの人の片腕がどうしようと、そんなことは大きなお世話じゃありませんか」
お角は非常に腹を立てました。自分に恥をかかせようと企んでするらしいこの女の仕打ちが憎らしくてたまらなくなりました。こうなっては腕ずくでも、お松を連れて帰らねば承知ができなくなったから、
「何を言ってやがるんだい、誘拐め、ぐずぐず言わずに娘をお出しよ、出さないとためにならないよ」
こう言って太返りました。近所隣りへ聞えるような大きな声で罵りました。
「いいえ、かえすことはできません。何ですお前さん、人の家へ来て失礼な、そのなりは。さあ早く帰って下さい、お帰りなさい」
お絹も負けてはいませんでした。
「失礼は持前ですからね、とてもお前さんのようにお上品な面をして、人の娘を誘拐すようなことはできませんよ。