Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
彼等は辛辣な軽侮を米友の上に加えました。
女軽業の美人連は興に乗って米友に毒口を利きました。こんな毒口は楽屋うちで言い古されている毒口でしたけれども、単純な米友は嚇と怒りました。
「ばかにするない、そんな了簡で言ったんじゃあねえぞ」
「米友さん、怒っちゃあいけないねえ、君ちゃんに捨てられたと思って、そんなに自棄を起しちゃいけないよ」
「馬鹿」
米友は眼をクルクルと剥いて美人連を見廻しました。
「君ちゃんは俺らと約束がしてあるんだ、約束を破るのは女郎と同じことなんだ、君ちゃんは俺らと約束を破って、一人で残っているような女じゃねえんだ、それを残して来たのはお前たちが悪いんだ」
「手が着けられないね。米友さん、お前が君ちゃんと、どんな約束をしたか知らないが、現に君ちゃんはここにいないで、江戸へ帰るより甲府がいいと言って残っているから、文句がないじゃないか」
「お前たちが残して来たんだ」
「ばかにおしでないよ、こうして座を組んで、一つ鍋の御飯をいただいて歩いていれば姉妹同様じゃないか、離れようといったって離れられるわけじゃない、それに君ちゃんは花形だから、親方の方でもはなすことじゃありません、それを振り切って行くくらいなんだから仕合せ者だよ」