Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

二

米友は例の通り跛足を引いて、杖をついて、横っ飛びにこの河原まで駈けて来て、

「通してくれ、通してくれ、俺らが悪いんじゃねえ、まだ出かけねえと言うから、それで安心して待ってたんだ、ところが出し抜かれたんだ、あいつの口前にひっかかって、無駄話をしている間に出かけられちゃったんだ、ぐずぐずしていると俺らが申しわけのねえことになっちまうんだ、どうか通してくれ」

米友は眼の色を変えて川を渡ろうとしますから、宿役人や人足までが驚きました。米友のことですから、あんまり周囲の事情に見さかいがなく、笠と首根ッ子へ結いつけた風呂敷包が上になったり下になったりするのをかまわず、無論、勤番支配であろうが、与力同心であろうが眼中になく、やみくもに川へ飛び込んで押渡ろうとするから、忽ちドッコイと押えられてしまいました。

「やい、手前は何だ」

「通してくれ、通してくれ、無駄話をしているうちに出し抜かれちゃったんだ、こうしちゃいられねえ」

「馬鹿野郎」

「何だい、何をしやがる」

「よく眼をあいて見やあがれ、川の向うもこっちも通行どめなんだ、みんなああして御遠慮をしているのがわからねえか」