Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
それで座頭転がしというのだそうでございます」
「この街道は道が嶮しいばかりでなく、人気などもなかなか荒いようじゃ」
「人気はなかなか荒いそうでございます、どうも郡内者といって、旅の者が怖れておいでなさるそうでございますが、住んでいますれば、やっぱり同じ人間でございますから、そんなに荒っぽいとも存じません、頼むとあとへ引かないといったような片意地のところもございまして、附合い様一つでございます」
「この鳥沢に粂という者があるか。鳥沢の粂といって、この界隈に知られた男があるそうな」
「へえ、鳥沢の粂、そんな者があるにはあるんでございますが、お話を申し上げるような人体ではございません」
と言って、主人は鳥沢の粂のことをあんまり話したがらない。風景があったり名物が出たりすることは多少にも自慢にもなるけれど、あんな人間の存在することはあまり名誉とも思わないらしくて、粂のことは問われても語らずに、
「なんしてもこの通りの山の中でございますから、景色と申しても名物と申しても知れたものでございますが、そのうちでも甲斐絹と猿橋、これがまあ、かなり日本中へ知れ渡ったものでござりまする」