Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「そうだ、猿橋と甲斐絹の名は知らぬ者はあるまい、その猿橋ももう近くなったはず」
「これから、ほんの僅かでございます、そんなに大きな橋ではございませんが、組立てが変っておりますから、日本の三奇橋の一つだなんぞと言われておりまする。猿橋から大月、大月には岩殿山の城あとがございまして、富士へおいでになるにはそこからわかれる道がございます。それから初狩、黒野田を通って笹子峠」
本陣の主人は一通りの道案内を申しました。一行のうちにはここをしばしば通ったものもあるのだから、そんなに委しく言う必要はないと思って手短かに案内をしたが、大部分は初めての甲州入りだから、珍らしがって名所の話をします。ことに日本三奇橋の一つと称せらるる猿橋に近くなったということが好奇心をそそって、
「いったい、その日本の三奇橋というのはドレとドレだ」
「周防の錦帯橋、木曾の桟橋、それにこの甲斐の猿橋」
一行のうちの物識りが答えます。やがてこの本陣を出て右の猿橋へかかった時分に、そこで一行は、橋以外にまた奇体なものにぶっつかることになりました。
鳥沢で休んで駒井能登守の一行がまたも悠々と甲州街道を上って行くと、ほどなく猿橋まで来かかりました。