Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
けれどもこの水々しい年増と美しい娘とが奥へ通ったあとで、一同は吹き出さなければならないことに出会してしまいました。
それは二人につづいて米友がのこのこと入って来たからであります。笠を取るまではそんなに眼につかなかったけれども、笠を取って見ると米友の剃立ての頭が、異彩を放っていることがよくわかるのであります。剃立てといえば、青々としてツルツルしたように考えられるけれど、米友のはよく切れない剃刀で削ったのだから、なかなかテラテラ光るというわけにはゆかないのです。ところどころに削り残された鉋屑が残っているのであります。けれども当人は、やむを得ないような面をして二人につづいて上り込んで来たから、誰もそれを見て吹き出さないわけにはゆきませんでした。
「兄さん、お前の頭を見て皆さんが笑っていますよ」
お絹は振返って米友の頭を見て、自分もおかしくなって口を袖で隠しました。
「でも家ん中で笠を被るわけにはいかねえ」
といって米友が不平な面をしましたから、お松はそれがまたおかしくって笑いました。
能登守の一行は「なるほど、こいつだな」と思いました。昨日、鶴川での出来事を知っているだけによけいにおかしくなります。