Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠3

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme

Aozora Bunko

その有様は、掴んで抛り出すのも汚らわしいといった手つきであります。

よしよし、これからは一本立ちで甲府へ行って見せるとも、峠を越せば甲府まで一日で行けるということだ、小遣だって何もそのくらいのことには困りはしない、こんな金なんぞ要るものか、突返しに行くのも、あの女の面を見るのが癪だから、と言って置放しにして行けば、誰か取ってしまった時に米友が持って出たと思われるのが業腹だと米友は、眼の前の金一封を睨めながら、腹を立てたり始末に困ったりしていましたが、結局庭へ抛り出してしまうのがいちばんよろしいと考えました。庭へ抛り出して撒き散らかして置けば、人の目に触れて、自分が持って出なかった証拠が立つと思いました。米友はその金一封を掴んで、ゲジゲジでも取って捨てるような手つきで持ち出して、障子をあけてポンと庭の方へ、それもお絹の部屋の方へ近く、なるたけ人の眼に触れるようなところへと思って投げ出しました。

米友に投げられた金一封は、庭の松の木の幹に当ってコツンと音がしましたけれど、かなり固く封がしてあったと見えて、そのまま転がってしまったから、とても、梅忠がやったような花々しい光景にはなりません。