Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠3
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠3 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 214.131 Zeichen · 423 Bildschirme
「あの、お君や、もし年を聞いたら十九で、午年の男と言うように」
「はい」
「家を出てから今日で七日目になるということや、大切な宝を持って出たということも、聞かれたら答えてもよいけれど、あまり細かくは言わないように」
「はい、よろしうございます」
「それから、わたしの家の名前だの、幸内の名前だの、わたしの名前など、尋ねられても決して言わぬように」
「畏まりました」
お君は頭巾を取らない娘と、これだけの問答をして、一人だけ履物を脱ぎ揃えてお宮の上へあがりました。
ほどなく、お君は一枚の紙を手に持ってお宮の中から出て来ました。
「お嬢様、お御籤をいただいて参りました」
水屋のところに立って待っていた頭巾を取らない方の娘――いちいち頭巾を取らない方の娘とことわらなくても、それはお銀様と言ってしまった方がよいのです。お君の手に持っていたお御籤の紙がお銀様の手に渡されると、お銀様は受取って読みました。お銀様は紫の女頭巾はほとんど眼ばかりしか出さないように深々と被っていました。その眼をじっとお銀様がお御籤の紙上に注いで黙読しているのを、お君は傍から覗いていました。お君にはその文字は読むことができないのであります。