Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠4
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme
「いかにも、貴殿がまことの和田静馬殿であることは、恵林寺の先触でも毛頭疑いのないところ、若松屋の若者こそ、甚だ怪しい、篤と吟味を致さねばならぬ」
「引捕えてこれへおつれあらば、拙者から懲らして済むものならば懲らしめ、意見して追い放すべき者ならば、意見を加えてみるも苦しうござらぬ」
「しからばその者を引捕えて、これへ連れて参ろう」
役人や手先が立ち上った時に、兵馬はふと、何事か胸に浮んだらしく、
「お待ち下さい、なんにせよ、承れば年若の者、無下に恥辱を与えるも不憫ゆえ、拙者これより同道致し、穏かにその者に会うてみたい」
「それは御随意」
兵馬は身仕度をして、わが変名の変名を名乗る若者の、何者であるかを見定めようとしました。
若松屋の一室に和田静馬と名乗ったお松は、非常の覚悟をしています。
和田静馬の名は、或る時において兵馬が仮りに名乗る名前でありました。お松はその名をこの場合に利用したことが、こんな風に喰い違ったことを知ろうはずがありません。
再び役人の来るべき時を予想して待っていると役人は来ないで、障子の外に人の気配がしたかと思うと、密とそこを開いて、
「御免なさいまし」