Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠4

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠4 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 264.133 Zeichen · 524 Bildschirme

Aozora Bunko

なんのことはない、それは座敷牢と同じことです。

そこで竜之助は、また炬燵へ入ってしまいました。

お銀様は泣いておりました。こうして夜は次第に更けてゆくばかりです。

夜中にお銀様は物におびやかされて、

「あれ、幸内が」

と言って飛び上りました。

やはり転寝の形であった竜之助はその声で覚めると、その見えない眼にパッと鬼火が燃えました。

「幸内が……」

お銀様は再び竜之助に、すがりつきました。お銀様は何か幻を見ました。幸内の形をした幻に驚かされました。

机竜之助もまた何者をか見ました。何者かに襲われました。お銀様を抱えて隠そうとしました。

竜之助を襲い来ったものは神尾主膳ではありません。宇津木兵馬でもありません。

前に幸内を入れて置いた長持の中から、茶碗ほどの大きさな綺麗な二ツの蝶が出ました。何も見えないはずの竜之助の眼に、その蝶だけはハッキリと見えました。

蝶は雌蝶と雄蝶との二つでありました。しかもその雄蝶は黒く雌蝶は青いのまで、竜之助の眼には判然として現われました。

お銀様を片手に抱えた竜之助は、その蝶の行方を凝と見ていました。雄蝶と雌蝶とは上になり下になって長持の中から舞い出でました。