Japanische Klassiker mit Furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lesen Sie 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 150.254 Zeichen · 300 Bildschirme
高級の自動車らしく、エンジンの音は、ごくわずかです。しかし、いくら高級車でも、道がわるいので、ときどきおそろしくゆれます。やがて三十分も走りつづけると、車のゆれかたが、きゅうにはげしくなってきました。アスファルトのしいてないいなか道にさしかかったのでしょう。
「おやおや、ずいぶん遠くまで行くんだな。」
ポケット小僧は、心の中でおどろいています。だんだんからだのいたみが、ひどくなってきました。いいかげんにおろしてくれないと、がまんができなくなるかもしれないと思いました。
およそ一時間も走ったころ、やっと車がとまりました。やれやれ助かったと思っていますと、かばんは、いちど車からおろされたことはおろされたのですが、こんどはまた、べつの乗りものにつみこまれたらしいのです。
「おや、こんどは、貨物列車かもしれないぞ。汽車で、十時間もはこばれるのだったら、たいへんだ。からだがいたいだけじゃない。だいいち腹がへって、がまんできないかもしれないぞ。」
ポケット小僧は、うんざりしてため息をつきました。
すると、そのとき、ぶるるるん、ぶるるるん、ぶるるるるる……という音が、かすかに聞こえ、スウッとからだが浮きあがるような気がしました。